実家の仏壇、どうする?放置された古い仏壇の処分方法や費用、お焚き上げの方法を解説

実家の仏壇、どうする?放置された古い仏壇の処分方法や費用、お焚き上げの方法を解説

#お仏壇

#お焚き上げ

#仏壇処分

最終更新日:

公開日:

空き家化した実家に取り残されているお仏壇。放置したまま、心の片隅に引っかかってモヤモヤしている方も多いのではないでしょうか?

この記事では、実家のお仏壇をどうすべきか、処分方法や費用、お焚き上げの方法について解説します。

実家に放置された仏壇をどうするか?

実家に放置されたお仏壇の扱いは大きく4つに分けられます。

これから紹介していきますので、各選択肢のメリットとデメリット(課題・注意点)を理解したうえで適切な方法を選択しましょう。

そのまま引き継ぐ

まずは現在住んでいる場所にお仏壇を移動して、そのまま引き継ぐという選択肢があります。

新たに購入する費用がかからず、費用を抑えられることがこの方法のメリットです。

また、仏壇そのものに愛着がある場合、思い出をそのまま残しておくことができます。

お仏壇を引き継ぐ場合は住環境にお仏壇が収まるスペースがあるか、サイズを確認しなくてはなりません。

仏間がある場合、お仏壇の扉を開けた状態でもお仏壇が室内に収まるか確認することも大切です。

エレベーターや階段や玄関やドアの幅など、お仏壇を運搬するときのすべてのルート上で、無理なく通れるかどうかも確認しましょう。

また、実家のお仏壇が伝統的なものの場合には、お部屋の雰囲気にそぐわないというケースもありえますので、具体的にどの部屋に置くと違和感がなく仏壇を迎えることができるかを想定しておきましょう。

仏壇の状態によっては移動中に壊れてしまう可能性があることも気を付けなければいけないポイントです。

サイズの確認と配置場所の選定が済んで運搬することになったら、仏壇内に備えられている細かな仏具を取り外す前に、写真を撮っておくことをおすすめします。

これは移動後に仏具の位置がわからなくなることを防ぐためです。

なお、お仏壇のお引越しをする際、供養(魂抜き・閉眼法要・魂抜き)が必要になります。

お付き合いのあるお寺に相談して確認を取りましょう。

修復して引き継ぐ

修復して引き継ぐという人も少なくありません。

伝統的な職人の手によるお仏壇は、本体や扉の木地・漆・金箔・金具・蒔絵、障子の紗(しゃ)にいたるまで、すべてが修復可能です。

経年による汚れなどが気になる場合は、まずは掃除・修復からというのも一つの選択肢です。

お仏壇の掃除や修復は工程・技法の差によって価格が変動しますので、仏具店の担当者に前もってお家を訪問してもらい、現物を確認してもらう必要があります。

仏具店によっては、御本尊の供養(閉眼法要・開眼法要)などもお寺と連携してお任せできます。

修復して引き継ぐ場合のメリットは、現在では作ることができない、材質や技術を使用した貴重なお仏壇を残すことができることです。

一方デメリットは、新調するより修復費用の方が高額になる場合がある点です。

また、6か月程度の修復期間が必要になるため、法要を控えている場合は納期を確認する必要があります。

買い替える

実家のお仏壇を買い替えるという選択肢もあります。

現在の住まいに合わせたお仏壇を選ぶことができることが買い替えのメリットです。

買い替えを機に元のお仏壇よりも小さなサイズのものを選ぶのも良いでしょう。

規模が縮小したからといって、ご先祖様の失礼にあたるということはありません。

最近では、現代的な洋室に馴染む、スマートなデザインのお仏壇もあります。

ただし、新規購入のための費用がかかるのが買い替える際の注意点です。

また、既存の本尊や位牌を残して置きたい場合、希望のデザインやサイズでは収まらないケースがあるため、仏壇の内寸をよく確認しておく必要があります。

処分する

最後に、実家のお仏壇を処分するだけで修復も買い替えもしないという方法もあります。

その場合、古いお仏壇や本尊、位牌の処分方法を考える必要があります。

方法次第で、かかる費用も変わってきます。

処分という選択肢を選ぶメリットは、やはり「仏壇を放置しているけど、修復や新調はできない 理由があるしどうしよう…」といった不安や、「代々引き継ぐ」ということへの精神的負担から解放される点です。

しかし、処分をする場合は心のなかに罪悪感が残ってしまったり、親族間で揉め事が起こったりすることのないよう、気を付けなければなりません。

お墓は永代供養などといった供養方法がありますが、仏壇の場合は手放した後の供養方法がないため、気になる場合はお寺に相談するとよいでしょう。

役目を終えたお仏壇の処分方法

お仏壇の買い替えや処分を行う際は、役目を終えたお仏壇の処分方法を考える必要があります。

ここでは流れに沿ってお仏壇の処分方法を解説します。

お寺か仏壇店に相談する

まずは実家の菩提寺(お世話になっているお寺さま)に「お仏壇を手放したい」と伝えましょう。

その際、一緒に本尊や位牌の扱いについても相談するようにしてください。

お寺がお引き取りを行っていない場合、仏壇店に相談してみましょう。

仏壇店であれば引き取りも含めた段取りを一貫して依頼できるできる場合があります。

閉眼供養(魂抜き)

仏壇処分のときに欠かせないのが「閉眼供養(閉眼法要、お魂抜き、お性根抜き)」です。

閉眼供養とは、魂が入ったままの状態でお仏壇を処分するのを避けるために、魂を抜く供養のことです。

実家の菩提寺と現在お付き合いのない方は供養についても仏壇店に相談してみましょう

処分・お焚き上げ

実際の処分・お焚き上げは菩提寺や仏壇店に依頼する方法の他、自治体の不用品回収に出すといった手段もあります。

いずれの場合も大切なのは、処分前に閉眼供養を行い、最後まで粗末に扱うことなくお仏壇を手放すということです。

実家のお仏壇を処分する場合は、感謝を込めて丁寧に

実家のお仏壇を放置した状態でいることに後ろめたさを感じている人もいるかもしれません。

しかし、そうした気持ちを抱いている人は他にも多数いらっしゃいます。

ほったらかしにしてあるお仏壇も、ご自身のライフスタイルによって適した処遇が選択できる時代です。

どのような選択をした場合でもきちんと閉眼供養を行い、仏さまやご先祖さまへの感謝を忘れなければ大丈夫ですので、ご安心ください。

なごみ工房TOPページはこちら >
記事一覧にもどる
サンプルページ
プロフィール画像
監修者
仏事コーディネーター
川辺 一寛
京都生まれ、京都育ち、半世紀以上の歳月をこの地で過ごし、株式会社若林佛具製作所では四半世紀以上にわたって様々な業務に携わってきました。仏事コーディネーターおよび京仏マスターソムリエの資格を持っており、特に、寺院用の仏具を扱う寺院担当として、全国各地を回る貴重な経験を積んできました。そして今、『なごみ工房』の開設にあたり、これまでに学んだことを基に、様々な方々に対応し、新たな出会いを楽しみにしています。