法要と日常でお仏壇のお供えは替えるべき?お供え物の準備の基本

法要と日常でお仏壇のお供えは替えるべき?お供え物の準備の基本

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みなさんは普段お仏壇に何をお供えしているでしょうか。

お仏壇へのお供え物は、今日も食事や飲み物に困らず生活できていることへの感謝をかたちにしたものです。

今回は日常で用意したいお供え物の基本と注意点について、また法要のときとの違いも含めて解説します。

日常で差し上げるお供え物の定番

通常、お供え物は朝に差し上げます。「今日一日、家族が無事でありますように」という願いと、感謝を込めて行いましょう。

お仏壇のお供え物には定番があり、「ご飯」「水」「線香」「ロウソク」「花」の5種類です。

本来は毎日お供え物を差し上げますが、実際はなかなか難しいものです。

お香のかおりや煙が立つ様子が好きな方は線香を、植物が好きだった故人にはお花など、気負うことなくできる範囲で問題ありません。

ご飯

食を頂けることへの感謝を表しています。

仏さまはご飯の湯気をいただくといわれているので、炊き立てが最もよいです。

毎朝ご飯を炊かない方は、炊いたときだけお供えしましょう。また、朝はパン派の方は、パンを小さくカットして差し上げるといった方法でも構いません。

供える位置はご本尊の前です。これはご本尊を通して、ご先祖さまに供えられると考えるためです。

おさがりをいただくのであれば、ご飯が硬くなる前にいただきましょう。

一般的には仏器に山型に盛りますが、真宗大谷派(東)ではご飯の形を円柱にするのが正式だとされています。

仏さまにお供えする水を浄水と言います。

お供えする目的は、ご先祖さまに喉を潤してもらうためです。

ほかにも、水を供えることによって供える人の心も、その清らかな水で洗われるとも言われています。

本来の役割から考えると、水が最もよいでしょう。

しかし最近では、故人が好きだった飲み物を供えることも、新しい供養の方法として取り入れられています。

仏教では本来避けた方が良いとされるコーヒーや紅茶なども、日常のお供えであれば問題ないでしょう。

水を供える位置はご飯と同様、ご本尊の前です。お供えした水をさげる際は、鉢植えなどの植物にその水を与えるとよいです。なお、浄土真宗では一般的に水そのものを供える必要はなく樒(しきみ)という植物を供えます。

線香

お線香の香りは場所や心身を清めるといわれています。

白檀や沈香などいろいろな香りがありますが、好みで選ぶことができます。

香炉の口径が小さい場合は灰がお仏壇に落ちないよう、線香を折って使用するとよいでしょう。

火を消すときは、息を吹きかけず、手で仰いで消すようにします。なお、浄土真宗はお線香を立てずに寝かせて置きます。

また、一人暮らしの場合や介護施設に入居している場合など、火気が気になる、または禁止されているなかでも線香をあげたいというときは、火を使わないディフューザータイプの線香や、LEDライトを使用した電池式の線香がおすすめです。

ロウソク

ロウソクの灯は、人間の苦しみのもとである闇を照らし、物事の姿をはっきりと見えるようにする光だといわれています。

以前は読経の間、消えることのないように燃焼時間の長いロウソクが多かったですが、最近では、燃焼時間が3分程度と短いものも作られています。

注意点は、必ずお仏壇の外に出して使用するということです。

小さなお仏壇はもちろん、一見問題がなさそうなサイズのお仏壇であっても、火が高く立ち上ることもあるので気をつけましょう。

ロウソクも線香と同様、火を消す際は息を吹きかけるのではなく、手で仰いで消すようにします。また、最近では火の用心のために電池式ロウソクを使用される方もいます。

古来、花は敬意や感謝を表す手段として供えられてきました。

また、どのような環境でも成長して花を咲かせる姿を、信心の在り方に重ねて供えられるようになったとも言われています。

一般的には仏花としてスーパーや花屋で売られている菊やスターチス、桔梗(ききょう)など、傷みにくく香りの強くない花を選ぶと間違いありません。

それ以外にも、季節を感じられるものや、故人が好んでいた花を供えるのもおすすめです。ただし、バラなど棘のある花や、つるのあるアサガオなどは避けましょう。

古くなった花は庭などの土に還す、もしくは感謝をして新聞紙でくるみ、一般ごみとして処分してください。生花が望ましいですが、管理を負担に感じるのであれば、造花やプリザーブドフラワーを利用する方法もあります。

その他のお供え物(お菓子、果物)

昔から丸餅を供える習慣がありますが、丸餅に限らず故人の好きだったお菓子や、季節の果物、ほかにも旅行に行った際のお土産などもお仏壇に供えるとよいでしょう。

供える際は、供物台に半紙を敷き、その上に置くと丁寧です。供物台が対である場合は、右側が上座となりますので、より人の手のかかったものを右側に置くという考えもあります。

日常と法要のお供え物のちがい

日常の場面ではあまり難しく考えずに、差し上げたい気持ちを優先することが大切だと解説しましたが、法要では正式なお供えをしたいところです。

しかし、用意に負担があるようであれば、気持ちに余裕が持てる範囲で構いません。次のポイントを確認し、少しずつ取り入れていきましょう。

仏膳(御霊供物)を追加する

仏膳は法要などの改まった場面で使用する仏具です。

そこに精進料理を入れて供えます。お膳の数は1つか2つです。2つの場合はご本尊とご先祖さまに供えるものとされています。なお、浄土真宗では使用しません。

代用品ではなく、本来のお供え物を差し上げる

日常のお供え物で提案をした代用品ですが、法要のときは使用しないようにしましょう。

線香やロウソクは火をつけることができるもの。当日には炊き立てのご飯に水、美しい生花を用意するのが望ましいです。

お菓子や果物も用意

普段のお供えでは、あるときだけで十分なお菓子や果物も、法要の際は予め準備をしておくのが理想的です。

お供え物の基本を知り、無理のない範囲で選択することからはじめましょう

基本的なお供え物は「ご飯」「水」「線香」「ロウソク」「花」の5つが定番です。ただし、毎日すべてを用意しなければならないわけではありません。

「故人はなにが好きだったかな」「今の季節だったらなんの花がよいだろう」などいろいろなことに想いを巡らせて選んでみてください。

そのようにして選んだお供え物をお仏壇に祀り、そっと手を合わせることで、おのずと仏さまやご先祖さまに感謝の念が湧き、いままでよりも落ち着いた気持ちでお供え物の用意が行えるようになるかもしれません。

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監修者
仏事コーディネーター
川辺 一寛
京都生まれ、京都育ち、半世紀以上の歳月をこの地で過ごし、株式会社若林佛具製作所では四半世紀以上にわたって様々な業務に携わってきました。仏事コーディネーターおよび京仏マスターソムリエの資格を持っており、特に、寺院用の仏具を扱う寺院担当として、全国各地を回る貴重な経験を積んできました。そして今、『なごみ工房』の開設にあたり、これまでに学んだことを基に、様々な方々に対応し、新たな出会いを楽しみにしています。