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お仏壇に手を合わせるときにチーンと鳴らすあの仏具。
見たことはあるのに意外と名前が知られていないその仏具は「おりん」と呼ばれ、身近な宗教用具のひとつです。
その音を聞くと、ほっと穏やかな気持ちになる方も多いのではないでしょうか。
今回はおりんを購入する前に知っておきたいポイントや、正しい使用方法について解説します。
この記事の要点
- おりんは、本来は読経の前後に鳴らす仏具で、宗派にかかわらず使えます。
- 選ぶときは「音」「サイズ」「お手入れ方法」の3つを基準にすれば失敗しにくく、サイズはお仏壇の大きさが目安になります。
- 鳴らすときは、おりん上部の「フチ」を横から弾むように叩きます。上から叩くと音が響きません。
- ご家庭では回数をあまり気にせず、合掌の前に1〜2回ゆっくり響かせれば十分です。
おりんとは?何のために鳴らす?
おりんは梵音具(ぼんおんぐ:読経などで用いる鳴り物の仏具)と呼ばれ、本来は読経などの勤行(ごんぎょう:お経を読むお勤め)をはじめる前と終わった後に打ち鳴らすために使用する仏具です。
しかし、その澄んだ音は邪気を払い、空間を清浄にするとも言われ、現在では勤行をしない方にとっても欠かせない身近な仏具となっています。
一般的には「おりん」といわれることが多いですが、宗派によっては「鏧(きん)」や「鐘(かね)」などと呼ぶこともあります。
おりんの形と材質にはどんな種類がある?
おりんは宗派にかかわらず使用されます。形は昔ながらの鉢型のほか、球体型などのモダン型があり、主な材質は佐波理・シルジン青銅・真鍮・純金の4種類です。
以前はお椀のような鉢型タイプが多かったですが、最近では家具調仏壇に合わせて球体型やりん棒が一体となったものなどモダン型も登場し、幅広い選択肢があります。
主な材質は次の4種類です。
| 材質 | 成分 | 特徴 |
|---|---|---|
| 佐波理(さはり) | 銅と錫の合金 | 音質や余韻が特によいとされる |
| シルジン青銅 | 銅と亜鉛とケイ素の合金 | 佐波理の代用として広まり、現在多くのおりんに使われている |
| 真鍮(しんちゅう) | 銅と亜鉛の合金 | 金属製仏具として最も一般的。デザイン性の高い形にしやすい |
| 純金 | 主に18金 | 独特の高音が特徴。価格は金相場により変動する |
佐波理(さはり) 【銅と錫の合金】
おりんのなかでも特に音質や余韻がよいとされています。
その音の良さからシンバルや銅鑼などの金属製楽器にも使用されています。
シルジン青銅 【銅と亜鉛とケイ素の合金】
高価な佐波理(さはり)の代用として使用されるようになった金属で、現在では多くのおりんがこの材質でつくられています。
真鍮(しんちゅう) 【銅と亜鉛の合金】
金属製仏具としては最も一般的な材質です。
加熱によって複雑な形状にできることから、デザイン性の高いおりんを作ることが可能です。
純金 【主に18金】
独特の高音が特徴です。
資産形成のために用意される方もいる高価な材質です。
24金ではおりんの成形が難しく、10金では資産価値が見込めないため18金で作られているものが多いです。
また、価格は金相場により変動します。
おりんはどう選べばよい?失敗しない3つの基準
おりんは「音」「サイズ」「お手入れ方法」の3つを基準に選ぶと、失敗しにくくなります。
おりんの形は自由に選ぶことができます。
選ぶポイントとなる3つの基準を具体的に確認しましょう。
宗教的な難しい決まりごともありませんのでポイントを踏まえて素敵だと思うひとつを見つけてください。
「音」で選ぶ
一般的に音の高低はおりんのサイズに比例します。
小さめサイズ(1.8寸~2.3寸程度)は透明感がある高音、大きめサイズ(2.5寸以上)では落ち着きのある低音がでるものが多いです。
ほかにも、音の余韻をじっくりと聞いてみるとよいです。
スーっとまっすぐに続くタイプと、ボワンボワンと波打つようなタイプがあるのがわかると思います。
ご自身が良い音だと思うものを自由に選んでください。
「サイズ」で選ぶ
お仏壇が既にある、もしくは同時に購入する場合は、お仏壇のサイズを基準に選ぶことができます。
おりんのサイズ表記は口径で記されることが多く、また長さの単位は昔からの慣習で「寸(1寸は約3.3cm)」を用います。
現在ではあまり馴染みのない表記ですので、現物を見ずに購入する場合は詳細説明などで確認しましょう。
お仏壇に応じたおすすめサイズは以下の通りです。
| お仏壇の種類 | おすすめのおりんのサイズ(口径) |
|---|---|
| 上置仏壇(うわおきぶつだん:棚などの上に置くお仏壇) | 1.8寸〜2.5寸 |
| 台付仏壇(床に置く台付きのお仏壇)で高さ130cm以下 | 2.3寸〜3.0寸 |
| 台付仏壇で高さ130cm以上 | 3.0寸以上 |
※1寸は約3.3cmです。
おりん・りん棒・りん台の一覧はこちら >「お手入れ方法」で選ぶ
先にご提案をした「サイズ」や「音」で選ぶことに加えてお手入れ方法も購入前に確認しておきましょう。
従来のおりんは、材質の特質として経年で黒く変色してくるため定期的に金属磨きでのお手入れが必要になります。
そのため、最近ではより負担なく綺麗な状態を保つことができるように、クリア塗装(フッ素加工、金メッキ加工、セラミック加工などのコーティング含む)をしたものも増えてきました。
音の響きを重視する場合、地金のままのほうがよく響くとされていますが、クリア塗装をしたものでも十分に良い音のものはたくさんありますので、ご自身の優先順位に合わせて選んで問題ありません。
おりんとセットで購入するものはある?
別売りのおりんを選ぶ場合は、りん布団・りん棒・りん台の3つが必要かどうかを確認しておくと安心です。
| 仏具 | 役割 | 必要になる場面 |
|---|---|---|
| りん布団 | おりんを乗せる布団 | 鉢型のおりんを使うとき |
| りん棒 | おりんを叩く棒 | りん棒が一体になっていないおりんを使うとき |
| りん台 | 正座をしたときに鳴らしやすい高さにする台 | 伝統的なお仏壇と合わせるとき(経机や膳引きに置くなら不要) |
最近のモダン型のおりんでは一式がセットになったタイプもありますが、別売りの場合は下記の仏具を用意する必要があるかを確認しておくと安心です。
りん布団
鉢型のおりんを乗せるための布団です。
丸型の他、花型などもあり好みで選ぶことができます。
りん棒
おりんを叩くための棒です。
木材に布や白革などが巻かれていて、生地が厚いほうが優しくまろやかな音になる傾向があります。
家具調仏壇に合わせた何も巻かれていない木製タイプはデザイン面を優先して選びたい方に向いています。
りん台
伝統的な仏壇と合わせる際に用意することが多い仏具です。
本来おりんは畳の上に置くものですので、正座をしたときに鳴らしやすい高さにする役割があります。
ただし、経机(きょうづくえ:お仏壇の前に置く小さな机)や膳引き(ぜんびき:お仏壇から引き出して使う棚板)に置くのであれば必要ありません。
宗派によって形が異なることもあります。
家具調仏壇に合わせるモダン型の場合は好きなデザインを自由に選ぶことができます。
おりんの正しい鳴らし方は?
おりんは、上部の「フチ」を横から弾むように叩き、合掌の前(読経をする場合は読経の最初と終わり)に1〜2回ゆっくり鳴らすのが基本です。
- りん棒を持つ:おりん上部の「フチ」を横から叩ける位置に構えます。
- フチを横から弾むように叩く:上から叩くと音が響かなくなるので気をつけます。
- 1〜2回、ゆっくり響かせる:落ち着いた気持ちで、音の余韻を聞きます。
- 静かに手を合わせる:読経をしない方は、おりんを鳴らしてから合掌します。
実際におりんを鳴らしてみると人によって音の響き方が違うように聴こえることがあります。
せっかくだったら良い音を正しく鳴らしたいもの。
良い音をだすポイントは意外と簡単です。
良い音がでる叩き方を含め、正しいおりんの鳴らし方を知っておきましょう。
音が最も良く響く場所は?
さまざまなおりんの形状がありますが、いずれもおりん上部の「フチ」を横から弾むように叩きましょう。
横ではなく上から叩いてしまうと、音が響かなくなるので気をつけてください。
鳴らすタイミングはいつ?
本来は各宗派の決まりに合わせ読経の最初と終わりにならします。
読経をしない方は合掌の前に鳴らすとよいです。
お線香をあげる流れとあわせた手順は、お線香をお供えするときのマナーとは?手順や正しい作法で解説しています。
鳴らす回数に決まりはある?
正式には宗派によって回数は異なります。
しかし、ご家庭の場合はあまり気にする必要はありません。
1~2回、落ち着いた気持ちでゆっくりと音を響かせましょう。
おりんの音を響かせて静かに手を合わせる。そのひとときを大切に。
おりんは宗派に関係なく使用することができます。
選択肢が多く迷ってしまうかもしれませんが、「サイズ」「音」「手入れ方法」を基準に好きなものを選べば間違いありません。
おりんの音色を聞きながらそっと手を合わせ、心の安らぎを感じる。
それは誰にとっても貴重で大切な時間となるでしょう。
おりんとあわせて、日々のお供えの基本を知りたい方は仏壇のお供え物は何を供える?五供の基本と置き方もご覧ください。
よくある質問
おりんはどのように鳴らすのが正しいのでしょうか?
おりん上部の「フチ」を、横から弾むように叩くのが良い音を出すコツです。上から叩いてしまうと音が響きにくくなるのでご注意ください。良い音を正しく鳴らすポイントは意外と簡単ですので、ぜひ試してみてください。
おりんを鳴らすタイミングや回数に決まりはありますか?
本来は各宗派の決まりに合わせ、読経の最初と終わりに鳴らします。読経をしないご家庭では、合掌の前に鳴らすとよいでしょう。回数も正式には宗派によって異なりますが、ご家庭ではあまり気にせず、1〜2回ゆっくりと音を響かせていただければ十分です。
おりんは宗派によって使えないことがありますか?
おりんは宗派にかかわらず使用できる仏具ですので、ご安心ください。一般的には「おりん」と呼ばれますが、宗派によっては「鏧(きん)」や「鐘(かね)」などと呼ぶこともあります。形や材質に宗教的な難しい決まりはなく、お好きなものをお選びいただけます。
おりんを選ぶときは、何を基準にすればよいですか?
「音」「サイズ」「お手入れ方法」の3つを基準にお選びいただくと失敗が少ないです。音は一般的にサイズが小さいほど高音、大きいほど低音になる傾向があります。仏壇がすでにある場合は、上置仏壇なら1.8〜2.5寸、台付仏壇なら2.3寸以上を目安にすると、バランス良く収まりやすいでしょう。
おりんはお手入れが必要ですか?
従来のおりんは材質の特性で経年により黒く変色してくるため、定期的に金属磨きでのお手入れが必要です。最近では、フッ素加工や金メッキ加工などのクリア塗装を施し、お手入れの負担を抑えたものも増えています。音の響きを重視するなら地金のままがよく響くとされますが、クリア塗装でも十分に良い音のものが多いので、優先順位に合わせてお選びください。
おりんの材質によって何が違いますか?
主に音と扱いやすさが違います。佐波理(銅と錫の合金)は音質や余韻が特によいとされ、シルジン青銅はその代用として広まり、現在多くのおりんに使われています。真鍮は金属製仏具として最も一般的で、デザイン性の高い形にしやすい材質です。純金(主に18金)は独特の高音が特徴で、価格は金相場により変動します。
りん布団やりん台は必ず必要ですか?
おりんの形とお仏壇によって変わります。りん布団は鉢型のおりんを乗せるためのもので、りん台は正座をしたときに鳴らしやすい高さにするため、伝統的なお仏壇と合わせるときに用意することが多い仏具です。経机や膳引きに置くのであれば、りん台は必要ありません。一式がセットになったモダン型のおりんもあります。
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