位牌とは?意味・種類・価格・処分まで完全ガイド【2025年最新版】

位牌とは?意味・種類・価格・処分まで完全ガイド【2025年最新版】

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「白木の仮位牌をいつ本位牌に替えるの?」「素材ごとの違いは?」「処分はどうする?」— 位牌選びで迷わないために、意味・種類・価格相場・宗派ごとの考え方・お手入れ・処分方法までを網羅した決定版ガイドをお届けします。

四十九日までの準備ポイントから最新トレンドのモダン位牌まで完全解説。この記事を読めば、あなたのご家庭に最適な一基が見つかります。

位牌とは?起源と基本的な意味

位牌(いはい)は、戒名や没年月日を記した札板に故人の魂が宿ると考えられる依り代(よりしろ)です。中国儒教の「位版」を源流に、鎌倉期に禅僧が日本へ伝え、江戸時代には仏壇に安置する形が定着しました。

位牌を用意する3つの理由

  1. 礼拝の対象 — ご本尊と並び、日々の報告や感謝を伝える象徴。
  2. 先祖供養の継承 — 世代ごとに並ぶことで家系のつながりを“見える化”。
  3. グリーフケア — 手を合わせる習慣が遺族の心の支えになる。

位牌の種類一覧(仮位牌・本位牌・繰出位牌ほか)

大分類 小分類 特徴 価格帯*
仮位牌 白木位牌 葬儀〜四十九日まで使用 0〜2千円
本位牌 塗位牌 木地に漆・金箔。蒔絵入りも 8千〜10万円
唐木位牌 黒檀・紫檀など銘木製 1万〜8万円
モダン位牌 ガラス・アクリル・寄木など 2万〜15万円
札位牌 1〜2名分を彫刻/手書き – 省スペース
繰出位牌 複数枚の札をまとめて収納 約3万円
ペット位牌 クリスタル・写真入れ/小型・カラー印刷可 5千〜3万円
*税込み価格の目安。材質で変動。

素材別に見る位牌の特徴とメリット

木製(塗位牌・唐木位牌)

  • 伝統的で格式高い。
  • 漆塗りは耐湿性◎だが重い。

ガラス・クリスタル

  • 透明感があり洋室にも合う。
  • UV彫刻で写真やメッセージを入れられる。

寄木・無垢材

  • ウォールナット×メープルなど北欧調。
  • インテリア性を重視する若年層に人気。

アクリル

  • 軽量で割れにくい。
  • モダン仏壇やミニ仏壇に最適。

位牌の価格相場と費用内訳

項目 目安費用 備考
本体価格 8千円〜15万円 材質とサイズで決定
文字入れ(戒名彫刻) 無料〜1万円 UV彫刻は無料対応の店も増加
蒔絵・金粉オプション 3千円〜3万円 手描き蒔絵は高額
開眼(魂入れ)お布施 5千〜3万円 僧侶へ依頼
送料・専用桐箱 0〜3千円 オンライン購入時

失敗しない位牌の選び方5ステップ

  1. 仏壇サイズを測定 — ご本尊より背が高くならない。
  2. 既存位牌に揃える — サイズ・色を合わせて統一感アップ。
  3. 宗派/菩提寺に確認 — 戒名書式・梵字の有無をチェック。
  4. 納期逆算 — 四十九日法要に間に合うよう2〜3週間前に発注。
  5. 見積比較 — 彫刻代・送料込みか事前確認。オンラインは総額表示を要チェック。

位牌を注文してから手元に届くまでの流れ

日数 行程
0日目 仮位牌の情報(戒名・命日)確定
1〜2日目 店舗/ECでデザイン決定・発注
3〜14日 木地製作→下塗り→彫刻/蒔絵
15〜18日 検品・発送
19〜25日 受取→開眼法要(魂入れ)

宗派別の位牌の考え方 ― 浄土真宗は例外?

浄土真宗(本願寺派・大谷派など)は原則として位牌を用いず、過去帳または法名軸を祀ります。位牌を作る場合は必ず寺院へ相談を。

一方、禅宗・天台宗・日蓮宗などでは位牌は必須。梵字や脇侍の表記ルールが宗派によって異なるため、発注前に菩提寺へ確認しましょう。

位牌のお手入れ・正しい安置場所

  • 直射日光・エアコン風を避け、仏壇内または耐震マットの上に安置。
  • 月1回、柔らかい乾布でホコリを払い、漆面は水拭きNG
  • ガラス位牌は薄めた中性洗剤で拭き、完全乾燥後に戻す。

古い位牌の処分・引き取り方法

方法 流れ 費用目安
閉眼供養+お焚き上げ 僧侶を招き魂抜き→寺院で焼却 1万〜3万円
永代供養 寺院・霊園に預け定期供養 3万〜10万円
仏具店・専門業者 引き取り→合同供養 5千〜1万5千円

よくある質問(FAQ)

位牌は四十九日以降でも作れますか?

可能ですが、法要時に間に合わない場合は僧侶へ事情説明を。

夫婦で一つの位牌にしても良い?

夫婦位牌として1基に2名を彫刻するケースが増えています。

モダン位牌は仏壇がなくても置ける?

リビング向けミニ仏壇や手元供養台とセットで置く例が多いです。

戒名がまだ決まらないときは?

戒名後彫りサービスのある店舗を選ぶと安心です。

ガラス位牌は割れやすい?

光学ガラスは硬度が高く、通常使用で割れる心配はほぼありません。

位牌の寿命は?

木製で20〜30年が目安。三十三回忌や五十回忌で塗直し・買替えを検討。

戒名彫刻は縦書き?横書き?

一般的に縦書きですが、クリスタル位牌などは横書き対応可。

オンライン注文の注意点は?

送料・彫刻代・納期・返品規定を必ず確認。写真校正サービスがある店がおすすめ。

ペット用位牌でも開眼は必要?

宗教的には不要とする寺院が多いですが、希望すれば読経供養も可能です。

位牌を複数まとめたい場合は?

繰出位牌(回出位牌)なら最大 10〜13 枚収納でき、省スペース。

まとめ

位牌は故人と家族の心をつなぐ大切な礼拝具。種類・素材・宗派・予算・納期を総合的に検討し、四十九日までの発注を目安に準備しましょう。

古い位牌は閉眼供養のうえお焚き上げが基本。正しいお手入れと安置場所を守り、末永く手を合わせられる環境を整えてください。

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監修者
仏事コーディネーター
川辺 一寛
京都生まれ、京都育ち、半世紀以上の歳月をこの地で過ごし、株式会社若林佛具製作所では四半世紀以上にわたって様々な業務に携わってきました。仏事コーディネーターおよび京仏マスターソムリエの資格を持っており、特に、寺院用の仏具を扱う寺院担当として、全国各地を回る貴重な経験を積んできました。そして今、『なごみ工房』の開設にあたり、これまでに学んだことを基に、様々な方々に対応し、新たな出会いを楽しみにしています。