過去帳とは?位牌との違いと書き方・誰が書くか

過去帳とは?位牌との違いと書き方・誰が書くか

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過去帳(かこちょう)とは、亡くなった方の戒名・命日・俗名・享年を代々書き残しておくための記録帳です。ご先祖さまの供養に欠かせない仏具のひとつでもあります。

この記事では、過去帳とは何かという基本から、位牌との違い、いつ用意するか、誰がどう書くか、書き損じたときの対処、置き場所までを、京都の仏具専門店がご説明します。

過去帳とは?亡くなった方の記録を残す仏具です

過去帳は、亡くなった方についての情報を書き残しておく帳面です。記すのは、おもに次の4つです。

記す項目 内容
戒名(法名) 亡くなったあとに授かるお名前。浄土真宗では法名といいます
命日 亡くなった日。年月日まで、または年月までのどちらでも構いません
俗名 生前のお名前
享年(行年) 亡くなったときの年齢

お仏壇にお祀りし、ご先祖さまの月命日にあたるページを開いて手を合わせる、という使い方をします。何代にもわたって書き継いでいくため、家の歴史を残す家系譜のような役割も持っています。

過去帳と位牌は何が違う?

決定的な違いは、お魂を入れるかどうかです。過去帳は記録帳であり、位牌は開眼法要によって「故人の霊魂が存在する場所」となります。

過去帳 お位牌
役割 代々のご先祖さまの記録帳 故人の霊魂が宿る場所
お魂入れ 不要 開眼法要が必要
一家に1冊で代々書き継ぐ 原則、故人お一人につき1基
置き場所 見台にのせ、2〜3段目 ご本尊より下の段
浄土真宗 用います 通常は用いません

両方を併用することもあります。とくにお位牌が増えて場所が足りなくなったご家庭では、お位牌をまとめる際に過去帳を用意します。また浄土真宗では通常お位牌を用いないため、その代わりとして過去帳を持たれる方が多くいらっしゃいます。

お位牌の一覧はこちら >

過去帳はいつ用意する?

用意する時期に厳密な決まりはありません。ただ実際には、四十九日法要までにご用意される方が多いです。白木位牌から本位牌に替えるタイミングと重なるためです。

すでにお仏壇がありお位牌が増えてきた場合や、お仏壇を新しくお迎えするときにあわせてご用意されることもあります。急いで揃えなければならないものではありませんので、ご都合のよいときで構いません。

過去帳の選び方

はじめて購入するときは「サイズ」と「種類」の2点を確認しましょう。

サイズは仏壇の大きさに合わせます

過去帳にはさまざまなサイズがあります。基本的にはお仏壇の大きさに合わせてお選びください。

お仏壇のタイプ 過去帳のサイズ目安 縦寸
上置仏壇 3.5寸〜4.0寸 約10.5〜12cm
台付仏壇 4.0寸〜4.5寸 約12〜13.5cm

3.0寸(縦寸約9cm)以下の小さいサイズは、戒名の文字数が多いと書きにくいことがあります。ご購入の際はご注意ください。

「日付あり」と「日付なし」の2種類があります

日付あり 日付なし
書き方 命日にあたる日のページに記入 亡くなった順に記入
使い方 毎日1ページずつめくって供養 家系譜のように通して読む
向いている方 日々のお参りで使いたい方 同じ月命日が重なるご家庭
入手しやすさ 販売の多くがこのタイプ 取扱店が少なく納期がかかることも

日付あり

日付ありの過去帳。見開きごとに1日から31日までの日付が入っている

現在、販売されている多くがこのタイプです。1日から31日まで見開きごとに日付が書かれていて、年月には関係なくご先祖さまの命日に合わせて記入します。お仏壇の前で毎日1ページずつめくり、ご供養することができます。

日付なし

日付なしの過去帳。亡くなった順に記入していくタイプ

先に亡くなった方から順番に記入していくタイプです。家系譜のような役割としても使えます。日付ありの場合、同じ月命日の方が重なると書ききれなくなることがありますので、その点を考慮して選ばれる方もいます。

過去帳・過去帳台の一覧はこちら >

過去帳は誰が書く?自分で書いてもよい?

結論から申し上げると、ご自身で書いていただいて問題ありません。誰が書かなければならないという決まりはないためです。

ただし実際には、お世話になっている菩提寺がある場合、お寺に依頼して書いていただくことが多くあります。お寺では寺院用の大きな過去帳で檀家の記録をまとめて管理していることが多く、お寺と各家庭の記載内容を揃えられるからです。お寺さまにご依頼される際はお布施が必要になります。

ご自身で書くのが不安な場合は、代筆業者に頼む方法もあります。書ける方が見つからないときは、お仏壇店にご相談ください。

過去帳の書き方

表紙の書き方

過去帳の表紙。「◯◯家先祖代々之霊」と表題を記す

従来の過去帳には、表紙に表題を書く場所があります。きっちりとしたルールがあるわけではありませんが、一般的には「◯◯家先祖代々之霊」と家名を記します。

浄土真宗では、人は亡くなると仏となり霊魂が宿るとは考えませんので「〇〇家先祖代々」と書きます。

過去帳のサイズが小さい場合やモダンタイプでは、シンプルに「〇〇家」とだけ書いても構いません。木製などで表題がないタイプは、家名を入れる必要はありません。

本紙の書き方

過去帳の本紙に戒名・命日・俗名・享年を記入した例

「戒名(法名)」「命日」「俗名」「享年」を記します。見本では2行で記入していますが、3行でも構いません。お一人につき1〜3行ほどを使います。

  • 日付ありの場合:故人の月命日にあたるページに書きます。命日は年月日すべて、もしくは年月までのどちらでも問題ありません。
  • 日付なしの場合:亡くなられた順番に書いていきます。

書くときの注意点

過去帳は本来、硯で墨をすり筆で書きます。本紙は「鳥の子」と呼ばれる和紙でつくられており、慣れていないと文字が滲むことがあります。最近は滲みにくい紙のものもありますので、心配な場合は事前にご確認ください。ご自身で書かれるのであれば、筆ペンなど書きやすいものを使っていただいて構いません。

過去帳は基本的に書き直しができません。あらかじめ鉛筆などで下書きをしておくと安心です。

書き損じてしまったらどうする?

慎重に書いても、書き損じてしまうことはあります。その場合の対処は次の2つです。

  1. 新しく買いなおす
  2. 画材店や和文具店で似た和紙を購入し、書き損じた箇所に貼る

新品同様というわけにはいきませんが、丁寧に対処をすれば、ご先祖さまに対して失礼になることはありませんのでご安心ください。

過去帳はお仏壇のどこに置く?

見台にのせてお仏壇に飾った過去帳

過去帳は、お仏壇に飾ることをおすすめします。そのために「見台(けんだい)」または「過去帳台」と呼ばれる仏具を用意します。

過去帳を見台にのせ、お仏壇のなかの2段目もしくは3段目に置きます。ご本尊が隠れない場所に置きましょう。

本来、過去帳は日めくりで月命日を迎えるご先祖さまをご供養するためのものです。月命日にあたらない日は閉じておくと、本紙の日焼けを防ぐことができます。最近では見台を用意せず、普段は引き出しにしまっておく方もいらっしゃいます。

過去帳は自分とご先祖さまを繋ぐ掛け橋です

AYUMI 3.5寸 過去帳・過去帳台セット

たくさんのご先祖さまの生きた証を見ることができる過去帳。それは、お仏壇やお位牌と同様に、先祖供養の要となる大切な仏具のひとつです。

選び方に難しいルールはありません。記入するときは間違えないよう少しの注意が必要ですが、丁寧に気持ちを込めて記すことに心を向けましょう。

そして、お仏壇に手を合わせるときは、過去帳にも目を配ってみてください。ご先祖さまから脈々と繋がる歴史のなかに今の自分が在るという不思議さと、そのなかで生きる有難みを、あらためて実感できるかもしれません。

よくある質問

過去帳とは何ですか?

亡くなった方の戒名(法名)・命日・俗名・享年を書き残しておく記録帳で、先祖供養に用いる仏具のひとつです。何代にもわたって書き継いでいくため、家系譜のような役割も持ちます。お仏壇にお祀りし、ご先祖さまの月命日にあたるページを開いて手を合わせる、という使い方をします。

過去帳とお位牌は何が違うのですか?

決定的な違いは「お魂を入れるかどうか」です。過去帳は代々のご先祖さまを記録する帳面であるのに対し、お位牌は開眼法要をすることで「故人の霊魂が存在する場所」となり、原則としてお一人につき1基ご用意します。両方を併用することもあり、お位牌が多いご家庭ではまとめる際に過去帳が用いられます。浄土真宗では通常お位牌を用いないため、その代わりとして過去帳を持たれる方が多いです。

過去帳は自分で書いてもよいですか?

ご自身で書いていただいて問題ありません。誰が書かなければならないという決まりはないためです。ただし菩提寺がある場合は、お寺と記載内容を揃えられるため、お寺に依頼して書いていただくことが多くあります。その際はお布施が必要になります。ご自身で書くのが不安な場合は、代筆業者に依頼する方法もあります。

過去帳はいつ用意すればよいですか?

時期に厳密な決まりはありませんが、四十九日法要までにご用意される方が多いです。白木位牌から本位牌に替えるタイミングと重なるためです。お位牌が増えてきたときや、お仏壇を新しくお迎えするときにあわせてご用意される場合もあります。

過去帳のサイズはどう選べばよいですか?

お仏壇の大きさに合わせて選びます。目安として上置仏壇では3.5寸〜4.0寸、台付仏壇では4.0寸〜4.5寸ほどが選ばれています。ただし3.0寸以下の小さいサイズは、戒名の文字数が多いと書きにくいことがありますので、ご購入の際はご注意ください。

過去帳を書き損じてしまったら、どうすればよいですか?

過去帳は基本的に書き直しができないため、あらかじめ鉛筆などで下書きをしておくと安心です。書き損じてしまった場合は、新しく買いなおすか、画材店や和文具店で似た和紙を購入して書き損じた箇所に貼る方法があります。丁寧に対処すればご先祖さまに失礼にはなりませんので、ご安心ください。

過去帳はお仏壇のどこに置けばよいですか?

「見台(けんだい)」または「過去帳台」と呼ばれる仏具にのせ、お仏壇の2段目もしくは3段目に、ご本尊が隠れないように置きます。本来は月命日に日めくりでご供養するためのもので、命日にあたらない日は閉じておくと本紙の日焼けを防げます。最近では見台を使わず、普段は引き出しにしまっておく方もいらっしゃいます。

日付ありと日付なしは、どちらを選べばよいですか?

日々のお参りで月命日ごとに手を合わせたい方には「日付あり」が向いています。同じ月命日にあたる方が重なって書ききれなくなる心配があるご家庭や、家系譜のように通して読みたい方には「日付なし」が向いています。ただし日付なしは取扱店が少なく、納期がかかることがあります。

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監修者
仏事コーディネーター
川辺 一寛
京都生まれ、京都育ち、半世紀以上の歳月をこの地で過ごし、株式会社若林佛具製作所では四半世紀以上にわたって様々な業務に携わってきました。仏事コーディネーターおよび京仏マスターソムリエの資格を持っており、特に、寺院用の仏具を扱う寺院担当として、全国各地を回る貴重な経験を積んできました。そして今、『なごみ工房』の開設にあたり、これまでに学んだことを基に、様々な方々に対応し、新たな出会いを楽しみにしています。