仏壇に左右対称に並べた仏具と仏花

仏花の飾り方|一対で置く位置と向き・お供えの基本配置

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仏花はお仏壇の最下段の左右に、一対で置きます。花の正面はお参りする人のほうに向けます。これは「花を見て心を清らかにする」という考え方によるものです。

この記事では、仏花はお仏壇のどこに置く?、仏花はどちらに向ける?、五供(ごくう)の中での仏花の位置づけといった点を、京都で天保元年(1830年)から仏具を扱ってきた専門店の視点で解説します。店頭で実際によくいただくご質問9問にもお答えしていますので、気になるところからお読みください。

あわせて読みたい:仏花の本数はなぜ奇数?3本・5本・7本の意味と一対の考え方/花立(花瓶)の選び方|仏壇に合うサイズと素材の見分け方/仏壇に花を置くスペースがないときの飾り方|省スペースの工夫

この記事の要点

  • 仏花はお仏壇のいちばん下の段(前卓)の左右に、一対で置くのが基本です。中央に香炉、その両脇にろうそく立て、いちばん外側に花立を配します。
  • 花の正面は仏さまではなく、お参りする人のほう(手前)に向けます。
  • 日常は三具足(花立1つ)、法要など正式な場面では五具足(花立2つ)と使い分けるご家庭が一般的です。
  • 仏花はご本尊より高くしないのが基本です。厳密な正解にこだわりすぎず、お参りしやすく掃除しやすい配置であれば十分です。
仏壇に左右対称に並べた仏具と仏花

仏花はお仏壇のどこに置く?基本は最下段の左右

仏花は、お仏壇のいちばん下の段(前卓:まえじょく)の左右に置きます。中央にはお線香の香炉、その両脇にろうそく立てと花立を配するのが一般的です。

  1. 中央に香炉:お線香を立てる器を真ん中に。
  2. その両脇にろうそく立て:左右対称に置きます。
  3. いちばん外側に花立:仏花は左右の外側に一対で。

仏花はどちらに向ける?正面は「手前」

花の正面は、お参りする人のほうに向けます。仏さまに向けるものと思われがちですが、逆です。

仏花は、見る人の心を清らかにするためのもの。そのため正面が手前を向くように置きます。

五供(ごくう)の中で仏花はどんな位置づけ?

仏花は、お供えの基本である五供のうち「花」にあたります。お供えの基本は「香・花・灯明・浄水・飲食」の五供とされています。

五供 内容 供えるもの
香 お線香 香炉
花 仏花 花立
灯明 ろうそく ろうそく立て
浄水 お水 茶湯器(ちゃとうき)
飲食 ごはん 仏飯器(ぶっぱんき)

五供それぞれの供え方は仏壇のお供え物は何を供える?五供の基本と置き方でくわしく解説しています。

さらにくわしく

三具足と五具足はどう違う?仏具の基本配置

仏具の並べ方には「三具足(みつぐそく)」と「五具足(ごぐそく)」があります。三具足は花立・香炉・燭台(しょくだい:ろうそく立て)を1つずつ、五具足は花立と燭台を2つずつにした並べ方です。

形式 構成 使う場面
三具足 花立1・香炉1・燭台1 日常のお参り
五具足 花立2・香炉1・燭台2 法要など正式な場面

日常は三具足、法要のときは五具足と使い分けるご家庭が一般的です。五具足では花立が2つになるため、仏花も一対で用意します。

仏花や仏具はどの順で置けばいい?

お参りしやすい配置になるよう、次の順で置きます。

  1. 仏具を一度すべて下ろす:掃除をしてから並べ直すと整います。
  2. 中央に香炉を置く:基準になる位置です。
  3. 燭台を配する:三具足なら右、五具足なら左右に。
  4. 花立を置く:三具足なら左、五具足なら左右の外側に。
  5. 正面から確認する:少し離れて、左右のバランスを見ます。

仏花の飾り方でよくある間違いは?

店頭でよくいただくご質問から、間違えやすい点をまとめました。

  • 花を仏さま側に向けてしまう……正面は手前(お参りする人側)に向けます
  • 花が大きすぎて扉が閉まらない……お仏壇の内寸に納まる高さを選びます
  • ご本尊(お仏壇の中心にまつる仏さま)が隠れてしまう……花の高さはご本尊より低く抑えます
  • 水がこぼれて仏壇を傷める……花立の下に敷物を

仏花がご本尊を隠してしまうときは?

仏花はご本尊より高くしないのが基本です。お仏壇の主役はご本尊であり、お供えがそれを覆ってしまわないよう配慮します。

背の高い花を使う場合は、下段に置くか、思い切って短く切り戻してください。

お仏壇の大きさ別に、配置はどう変わる?

お仏壇の大きさによって、無理のない配置が変わります。

仏壇のタイプ 配置の目安
ミニ仏壇 三具足を1列に。花立は左に1つ
上置き仏壇 三具足または五具足。花立は左右に
床置き仏壇 五具足。前卓(まえじょく)に配置
仏壇なし(手元供養) 写真の横に花を1つ

仏花を整えたら、どうお参りする?

お花を整えたら、次の順でお参りします。

  1. お仏壇の前に座る:姿勢を整えます。
  2. ろうそくに火を灯す:灯明をあげます。
  3. お線香をあげる:ろうそくの火から点けます。
  4. おりんを鳴らす:宗派によって回数が異なります。
  5. 手を合わせる:静かに故人を思います。
  6. 火を消す:ろうそくは必ず消してから離れます。

ろうそくを口で吹き消すのは避けます。手であおぐか、専用の火消しを使ってください。

お線香のあげ方はお線香をお供えするときのマナーとは?、おりんの鳴らし方はおりんの選び方と正しい鳴らし方でくわしく紹介しています。

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専門店からのひとこと

配置についてのご質問は、店頭でもっとも多いもののひとつです。ただ、厳密な正解を求めすぎる必要はありません。

お仏壇の形も住まいも、昔とは大きく変わりました。教科書どおりに置けないことのほうが、いまは普通です。

お参りしやすいこと、掃除しやすいこと。この2つが満たされていれば、配置としては十分だと考えています。

よくある質問

仏花はお仏壇のどこに置きますか?

いちばん下の段(前卓)の左右に、一対で置きます。中央に香炉、その両脇にろうそく立て、いちばん外側に花立を配するのが一般的です。

仏花はどちらを向けますか?

お参りする人のほうに向けます。花を見て心を清らかにするという考え方によるものです。

仏花は必ず左右一対にしますか?

一対が基本ですが、スペースの都合でひとつだけでも差し支えありません。

五供とは何ですか?

「香・花・灯明・浄水・飲食」の5つの基本のお供えのことです。仏花はそのうちの「花」にあたります。

お仏壇が小さくて花を置く場所がありません。

仏壇の脇の小さな台に置く、片側だけに飾る、コンパクトな仏花を選ぶといった方法があります。

三具足と五具足の違いは何ですか?

三具足は花立1・香炉1・燭台1の組み合わせで日常のお参り用、五具足は花立2・香炉1・燭台2で法要など正式な場面に用います。

仏花がご本尊を隠してしまいます。

仏花はご本尊より低く抑えるのが基本です。下段に置くか、花を短く切り戻してください。

花立の下に何か敷いたほうがよいですか?

水がこぼれると仏壇を傷めるため、敷物を置くことをおすすめします。とくに漆塗りの仏壇では注意が必要です。

ろうそくは吹き消してもよいですか?

口で吹き消すのは避けるのが作法とされています。手であおぐか、専用の火消しを使ってください。

まとめ

仏花はお仏壇の最下段の左右に、一対で置きます。花の正面はお参りする人のほうに向けます。これは「花を見て心を清らかにする」という考え方によるものです。

この記事の要点をまとめます。

  • 仏花は、お仏壇のいちばん下の段(前卓)の左右に置きます。
  • 花の正面は、お参りする人のほうに向けます。
  • 仏花は、五供(香・花・灯明・浄水・飲食)のうち「花」にあたるお供えです。
  • 仏具の並べ方には「三具足(みつぐそく)」と「五具足(ごぐそく)」があります。
  • 仏具は香炉を中央に置き、燭台、花立の順に配すると整います。
  • 花を仏さま側に向ける、花が大きすぎて扉が閉まらない、といった間違いに気をつけます。
  • 仏花はご本尊より高くしないのが基本です。

仏花の作法は、地域やご家庭、宗派によって少しずつ異なります。この記事の内容と違っていても、ご家庭に伝わるやり方があれば、それがいちばん正しい形です。迷われたときは、菩提寺(ぼだいじ:先祖のお墓があり、法要などでお世話になっているお寺)やご親族に一声かけてみてください。

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監修者
仏事コーディネーター
川辺 一寛
京都生まれ、京都育ち、半世紀以上の歳月をこの地で過ごし、株式会社若林佛具製作所では四半世紀以上にわたって様々な業務に携わってきました。仏事コーディネーターおよび京仏マスターソムリエの資格を持っており、特に、寺院用の仏具を扱う寺院担当として、全国各地を回る貴重な経験を積んできました。そして今、『なごみ工房』の開設にあたり、これまでに学んだことを基に、様々な方々に対応し、新たな出会いを楽しみにしています。