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壊れてしまった仏具や使いさしのロウソク、昔の写真や手紙など、お仏壇にはいろいろなものがしまわれています。
どれも家族のだれかが大切にしてきたものなので、いざ整理をしようと思っても「普通に捨てて大丈夫?」と不安になりますよね。
今回はそんな、お仏壇周辺やお仏壇の引き出しのなかにある、手放したいけどどうしたらいいの?というものの処分方法をまとめて解説します。
処分や買い替えに適した時期はある?
日常的にお仏壇に手を合わせている方でも、頻繁に引き出しのなかを整理したり仏具を買い替えたりしている方は少ないかもしれません。
そもそも何もない日に掃除や仏具を処分してもよいのでしょうか。
仏具の処分や買い替え、整理整頓をする時期に難しい決まりごとはありません。しかし、実際は生活環境の変化や行事の節目にあわせて行う方が多いようです。
代表的な例を挙げてみましょう。
- 年末の大掃除
- お盆お彼岸の前
- ご先祖さまの年忌法要の前
- 引越しやリフォーム
- お仏壇を処分するとき
これらの時期はお仏壇を見直すきっかけとなります。
普段は忙しくされている方も、この機会に「仏具はまだ使えるかな」「引き出しがいっぱいになっていないかな」などをチェックしましょう。
また、最近では終活の一環として取り組む方もいるようです。
仏具の処分方法
仏具を処分をする際、確認するポイントは1つです。
「魂(性根)がはいっているかどうか」です。
魂(性根)がはいっているのものは、基本的に魂(性根)を抜く必要があります。
魂(性根)たましい(しょうね)を抜くとは?
宗教用具である仏壇や仏具は、魂(性根)をいれることではじめて信仰や供養の対象となります。そのため、処分をする際には魂(性根)を抜くことが欠かせません。この魂(性根)を抜くための法要は「閉眼法要(供養)」「お魂抜き」「お性根抜き」などと呼ばれています。
※浄土真宗の場合、そもそも魂を入れるという考え方がないので「魂入れ」「魂抜き」とはしません。「入仏法要」「遷仏(遷座)法要」「御移徙(おわたまし)」を行うので気を付けましょう。
魂(性根)が入っているもの
以下の2つは、購入されたときに魂(性根)入れをしているものです。
- ご本尊(仏像や掛軸)
- 位牌
これらは信仰や供養の要として、購入時にお寺様を迎え、魂(性根)を入れます。そのため、処分前には魂(性根)を抜く必要があります。
しかし、近年ではお寺さまとお付き合いをしない方も増えてきました。
最終的に法要をするかしないかは、本人や家族の気持ち次第です。
法要をしない場合でも最後は感謝の気持ちを込めて手を合わせるようにしましょう。
魂(性根)を抜いた仏具は、仏壇店やお寺さまに引き取ってもらうことが一般的です。
ですが、魂(性根)を抜いたとされるものあれば、処分方法に宗教的なルールはありません。
次に説明をする「魂(性根)が入っていない」仏具と同様に取り扱ってよいでしょう。
魂(性根)が入っていないもの
ご本尊、位牌以外の仏具には魂(性根)が入っていません。そのため、特に決まった処分方法はありません。材質に応じてお住まいの自治体の分別に従い処分します。
とはいうものの、心情的に家庭ごみと一緒には捨てにくい…そんなときは、仏壇店に相談してもよいでしょう。
引き取ってくれる場合があります。ただし、有償か無償かは店舗によって異なりますので前もって確認をするようにしてください。
ロウソクや線香、灰などの消耗品は家庭ごみとして処分します。
仏具ではないけどお仏壇の引き出しにあるもの
お仏壇にはご先祖さまの写真や子どもの頃に描いた絵、手紙、お守りやお札、重要そうな書類などがはいっていることも。
ほかにも現金が入っていたケースもありますので、整理をする際はひとづずつ確認しながら必要なものとそうでないものを分けましょう。
写真や手紙など思い出の品
個人情報のため、処分の際はそのまま捨てないように注意が必要です。
下記の方法で情報がわからない状態にしてから処分することをおすすめします。
- シュレッダーやハサミで裁断する
- ガムテープなどを張り付ける
- 漂白剤につける(写真のみ)
お仏壇にしまわれている写真や手紙は、家族が宝物のように大切にしてきたものかもしれません。
最近では手放してしまう前にデジタル化することも可能です。自分でするのが難しい場合は、写真館や家電量販店に相談しましょう。
もちろん、デジタル化せずにすべてを処分しても大丈夫です。
お守りやお札
お守りやお札の有効期限は1年間が目安です。
古いものは授かった神社に返納するのが理想的です。遠方の場合は郵送での返納を受け付けているところもあります。
それも難しければ、初詣の際などに近くの神社にお返しをしても問題ありません。
重要そうな書類
お仏壇の引き出しには書類が入っていることも多いです。なかには原本の保存が必要な書類もあります。
たとえば、年金手帳、及び年金関連、マイナンバーやパスポートなどの身分証明書、資格の認定書、遺言書などです。
これらの書類は、故人のものであってもすぐに処分をしないで本当に不要かどうかをよく確認しましょう。
そのほかの書類に関しても、不動産に関わる書類や保険契約関連、金融関連の書類は相続の際に必要になることがあるので安易に処分しないように注意が必要です。
お寺でお焚き上げを行うという方法も
お寺や神社でお焚き上げをしてもらうという方法もあります。
各自治体で年に1回程度行われている仏壇供養会のほか、年末年始や小正月(正月15日)に行われる「左義長」や「どんと焼」といった火祭りに持ち込む場合もあります。いずれも利用条件があります。特にお焚き上げでは環境に配慮する必要があるため、素材やサイズによっては引き受けてくれないこともあります。
事前に持ち込みが可能か開催団体に確かめましょう。
下取りはできるの?
お仏壇や仏具のなかには優れた技術でつくられた工芸品的な価値のあるものや、高価な材料でできたものもあります。そのため、自分にはもう必要はないけど、処分するのはもったいないという声もよく伺います。
しかし、ほとんどの仏壇店では仏壇仏具の下取りや買取はしていません。
ただし、美術品として価値のある仏像などは骨董品店で買取が可能な場合もあるようです。
人に譲っても良い?
親族や知り合いなど、関係性に関わらずお仏壇や仏具を譲ることは可能です。
魂(性根)を抜く必要があるものは事前にきちんと抜いておきましょう。ただし、宗派によって形が異なる場合もありますので注意してください。
古い数珠は修理をすると新品と同様になることがあります。
お仏壇の引き出しにしまわれているものがあれば修理をして、こどもや孫に受け継いでもよいでしょう。
ひとつを代々使い続けることに意味がありますが、珊瑚や真珠、翡翠など、今では採ることのできない貴重な材質である可能性もあります。なお、珠数の修理は念珠専門店や仏壇店で申し込むことができます。
最後は感謝をして手放しましょう
お仏壇や仏具の整理整頓は頻繁にすることが少ないため、そういった場面になると不安になることも多いと思います。仏具がほかの不用品と異なる点は「魂(性根)がはいっているかどうか」です。
また、仏壇の引き出しには写真などの思い出の品や書類が収まっていることが多いです。処分するものは「個人情報を消す」ことを忘れないでください。
そして必要な書類をうっかり捨ててしまわないようにも注意しましょう。
いずれにしても仏壇仏具、その周辺にあるものはご先祖さまや家族が大切にされてきたものです。最後はひとつひとつに感謝をして手放してください。
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