新盆(初盆)の白提灯とは?意味・誰が用意・いつどこに飾る・処分まで完全ガイド

新盆(初盆)の白提灯とは?意味・誰が用意・いつどこに飾る・処分まで完全ガイド

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大切な方を見送って、初めて迎えるお盆。「新盆(初盆)には白い提灯を飾る」と聞いたものの、いざ準備しようとすると分からないことばかりではないでしょうか。

そもそも何のために飾るの? 誰が用意するの? いつから、どこに飾るの? 終わったあとはどうするの?——はじめての方が抱く不安は、だいたい決まっています。

この記事では、新盆に飾る白提灯(白紋天)について、読者が順に抱く疑問の流れに沿って、意味・用意する人・飾る時期・飾る場所・準備一式・片付けまでを一つずつほどいていきます。地域や家庭で違う部分にも触れますので、ご自身の事情に当てはめながら読み進めてください。

白提灯(白紋天)とは?なぜ白いのか・その意味

白提灯は、絵柄や文字のない無地の白い火袋でつくられた盆提灯です。「白紋天(しろもんてん)」とも呼ばれます。亡くなった方が四十九日を過ぎてから初めて迎えるお盆、つまり新盆(にいぼん・はつぼん)の年だけ飾るのが習わしです。

役割は、故人が迷わずわが家へ帰ってくるための「目印」です。初めて家に戻る故人が道に迷わないよう、清らかな灯りで導く、という考え方です。だからこそ外から見える場所に灯します(飾る場所は後ほど詳しく触れます)。

なぜ白でなければいけないのか

白という色には、清浄さ・けがれのなさが込められているとされます。四十九日を終えてまもない時期に、初めて帰ってくる故人を、華やかな飾りではなく、つつましく清らかな白でお迎えする——そこに白提灯ならではの意味があります。

翌年以降の通常のお盆では、白ではなく絵柄の入った華やかな提灯(大内行灯や御所提灯など)を飾ります。白提灯はあくまで「初めてのお盆」一度きりのもの、と覚えておくと全体像がつかみやすくなります。

なお宗派によっては考え方が異なります。たとえば浄土真宗では、お盆に故人の霊が家へ帰ってくるという捉え方をしないため、白提灯や絵柄の提灯を飾らず、「切子灯籠(きりことうろう)」を用いる習わしがあります。ご自身の家の宗派による違いは盆提灯と宗派の記事でも整理しています。迷うときは菩提寺に確認すると安心です。

通常の絵柄提灯と何が違う?

「白提灯」と、毎年飾る「絵柄の提灯」は、見た目だけでなく役割も使う期間もまったく別物です。ここを混同すると準備で迷いやすいので、先に整理しておきましょう。

白提灯(白紋天) 絵柄の提灯
飾る時期 新盆(初盆)の年だけ 新盆の翌年以降、毎年
見た目 無地の白 花鳥風月などの絵柄入り
主な役割 初めて帰る故人の目印 故人・先祖を供養し迎える
飾る場所 玄関・軒先・窓際など外向き 盆棚・仏壇のそば(屋内)
用意する人 主に遺族 親族が贈る例も多い
盆のあと その年で処分 翌年以降も使う

つまり白提灯は「初盆限定・使い切り・外向き」、絵柄提灯は「毎年使う・屋内」と整理できます。新盆の年は、この2種類を併せて飾るのが基本の形になります。提灯の種類全体は盆提灯の商品一覧でもご覧いただけます。

白提灯は誰が用意する?(遺族/親族・地域差・現代事情)

はじめての方が最もつまずきやすいのが「誰が買うのか」です。基本の考え方はシンプルです。

新盆の白提灯は、故人と同居していたご家族(遺族)が用意するのが一般的です。白提灯は故人ひとりに対する目印で一張りあれば足りるため、家でひとつ準備すれば十分とされています。

絵柄の提灯は親族が贈ることも

一方、絵柄の入った提灯は、兄弟や親戚など故人と親しかった方が贈る例が多く見られます。古くは「提灯の数が多いほど故人が慕われていた証」とされ、親族から提灯が寄せられる風習がありました。

関東と関西で用意者が違う

誰が負担するかは地域でも傾向が分かれます。下の早見表はあくまで一般的な傾向で、家ごとに異なる点はご了承ください。

地域 用意する人の傾向
関東 遺族(家族)が中心になって用意する家庭が多い
関西 親族で分担して用意・負担する慣習が見られる

現代は「提灯代」を現金で渡すことも

近年は、住宅事情で提灯を飾るスペースが限られることもあり、提灯そのものを贈る代わりに「提灯代」として現金を包むことが増えています。金額の目安は、おおむね3,000〜10,000円ほど、親しい親族では5,000〜30,000円程度が一つの相場とされます。

このとき表書きには注意点があります。「御提灯代」より「御提灯料」「新盆献灯料」のほうが丁寧とされます。「○○代」は対価の支払いを連想させるため、敬って贈る金封には「料」を用いるのが望ましい、という考え方です。「御仏前」とする例もあります。贈る側のマナーやのしの書き方は、盆提灯の贈り方・のしの記事で詳しくご紹介しています。

まとめると、白提灯は遺族が/絵柄提灯や提灯代は周囲の親族が、と役割が分かれるのが基本形です。とはいえ重複や行き違いが起きやすいところなので、迷ったら親族同士で一声かけ合っておくと安心です。

白提灯はいつからいつまで飾る?

飾る時期は、通常の盆提灯と大きく変わりません。お盆の数日前から準備し、迎え盆(13日)の夕方までには灯せるようにしておくと安心です。早く帰ってきてほしいという思いから、月初〜10日頃に飾り始める家庭も多くあります。

灯りを灯すのは、おおむね13日の夕方から、送り火を焚く16日まで。片付けは16日の夜、または17日の朝が目安です。

  • 準備:お盆の月の初め〜10日頃(遅くとも13日の夕方まで)
  • 灯す期間:13日の夕方〜16日の送り火
  • 片付け:16日の夜、または17日の朝

お盆の時期そのものが地域で異なる点に注意してください。7月にお盆を行う地域(東京の一部など)と、8月に行う地域(多くの地方・関西など)があります。ご自身の地域に合わせて読み替えてください。具体的な日取りや早見表は、盆提灯はいつからいつまで飾るかの記事にまとめています。

白提灯はどこに飾る?(玄関・軒先・窓際・仏壇前)

白提灯は故人が迷わず帰ってくるための目印なので、原則として外から見える場所に飾ります。代表的なのは次の場所です。

  • 玄関先・軒先:もっとも正式とされる場所。吊るして下げます
  • 窓際:玄関に吊るせないときの代替。外から灯りが見える窓辺に
  • 仏壇の前・盆棚のそば:屋内で迎える場合。住環境に応じて

吊るすタイプの白提灯は、玄関の軒下や縁側に下げるのが本来の形です。とはいえ近年は住まいの形が多様で、必ずしも軒先に吊るせるとは限りません。

マンション・集合住宅の場合

マンションなどで軒先がない場合は、窓際に置く・仏壇前に飾る・ベランダ側の窓辺に灯すといった形でも問題ありません。大切なのは「外に向けて、ささやかに灯りが見えること」です。無理に屋外へ出す必要はありません。火を扱うのが不安な集合住宅では、後述するLED・電池式の白提灯を選ぶと安心です。

盆棚(精霊棚)や仏壇まわりも含めた飾り方の全体像は、盆提灯の飾り方・置く場所の記事をあわせてご覧ください。

初盆の盆提灯まわり「準備一式」チェックリスト

はじめての方が「白提灯だけ用意すればいいの?」と迷うのは自然なことです。新盆では白提灯は全体の一部で、ほかにも飾るものがあります。ここでは盆提灯まわりを中心に、準備の全体像を一覧にしました。

※地域・宗派・家庭によって必要なものは変わります。すべてを揃える必要はありません。迷う場合は初盆用のセット品から始めると過不足が出にくく、菩提寺や仏壇店に相談するのも確実です。

  • 白提灯(白紋天)……新盆の年のみ。原則ひとつ。外向きに飾る主役
  • 絵柄の盆提灯……翌年以降も使う。盆棚・仏壇のそばに。親族からの贈り物の場合も
  • 盆棚(精霊棚)……お供えや飾りをのせる棚。設置スペースに合わせて
  • 位牌・仏具……お位牌、香炉・花立・火立(三具足)など
  • お供え……盆花、季節の果物・故人の好物、水の子など
  • 精霊馬(きゅうり・なす)……地域による。浄土真宗では用いない
  • ろうそく・線香・お明かり……灯明と香

盆提灯そのものを選ぶときの目安(サイズ・電源・置き型/吊り型など)は、盆提灯の商品一覧から探せます。火が不安な住環境では、熱を持ちにくいLED・電池式・コードレスタイプも選択肢になります。回転行灯の一部はLED化で回らなくなる場合がある点だけ留意してください。

初盆が終わったら:白提灯の片付け・処分

白提灯は新盆の年だけのものなので、初盆が終わったら処分するのが習わしです。翌年に持ち越して使うことはしません。一つの区切りとして、気持ちの整理にもつながります。

絵柄の提灯や盆棚など、白提灯以外の多くの盆用品は翌年以降もくり返し使えます。処分するのは白提灯(と、精霊馬・盆花などその年限りのもの)だけ、と覚えておくと混乱しません。

処分の基本的な流れ

昔ながらの方法では、次の順で行われてきました。

  • 塩で軽くお清めをする
  • 火袋の一部を少しだけ火にくべる(送り火と一緒に燃やすことも)
  • 残りは自治体のルールに従って処分する

近年は住宅事情で火を使うのが難しいことも多く、お清めをしたうえで自治体の分別ルールに沿って処分しても差し支えありません。お寺へ納める・お焚き上げをお願いする・仏壇店が引き取りに対応するケースもあります。処分のくわしい手順と注意点は、初盆で使った盆提灯の処分・片付け方の記事でていねいに解説しています。

よくある質問

白提灯はいくつ用意すればいいですか?

原則として一張りで十分です。白提灯は故人ひとりへの目印なので、絵柄提灯のように一対で揃える必要はありません。複数飾るものではない、と考えてください。

マンションで玄関に吊るせません。どうすればいい?

窓際に置く、仏壇の前に飾るなどで問題ありません。外に向けてささやかに灯りが見えれば役割は果たせます。火が不安なら、LED・電池式の白提灯を選ぶと安心です。

白提灯は省略してもいいですか?

地域や家庭の考え方によります。新盆の白提灯は習わしとして大切にされる一方、住環境などで難しい場合に屋内の飾りで代える家庭もあります。迷うときは菩提寺やご親族に相談し、無理のない形を選んでください。

白提灯と絵柄提灯、両方いるのですか?

新盆の年は、目印の白提灯と、供養のための絵柄提灯の両方を飾るのが基本の形です。絵柄提灯は親族から贈られることもあるため、用意する前に一声かけ合うと重複を防げます。

提灯代の表書きは「御提灯代」で合っていますか?

「御提灯代」も見かけますが、より丁寧には「御提灯料」「新盆献灯料」が望ましいとされます。「○○代」は対価を連想させるためです。「御仏前」とする例もあります。

翌年も白提灯を使い回せますか?

いいえ。白提灯は新盆の年限りです。翌年以降は絵柄の提灯を飾ります。白提灯は初盆を終えたら処分します。

はじめてのお盆を、心静かに迎えるために

白提灯(白紋天)は、新盆の年に一度だけ、ご家族が故人を清らかに迎えるための提灯です。用意するのは基本的に遺族、飾るのは玄関や窓際、初盆を終えたら静かに送り出す——この流れさえ押さえておけば、慌てずに準備ができます。

しきたりは地域や家庭で少しずつ違います。「こうしなければ」と気負いすぎず、迷ったときはご親族や菩提寺に相談しながら、心を込めてお迎えください。提灯選びでお困りの際は盆提灯の商品一覧もお役立てください。

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監修者
仏事コーディネーター
川辺 一寛
京都生まれ、京都育ち、半世紀以上の歳月をこの地で過ごし、株式会社若林佛具製作所では四半世紀以上にわたって様々な業務に携わってきました。仏事コーディネーターおよび京仏マスターソムリエの資格を持っており、特に、寺院用の仏具を扱う寺院担当として、全国各地を回る貴重な経験を積んできました。そして今、『なごみ工房』の開設にあたり、これまでに学んだことを基に、様々な方々に対応し、新たな出会いを楽しみにしています。