プリザーブドフラワーの仏花

プリザーブドフラワーの仏花とは?生花・造花との違いとメリット

最終更新日:

公開日:

プリザーブドフラワーとは、生花から水分を抜き、特殊な液を吸わせて長期保存できるようにしたお花です。生花の風合いを残しながら、水替え不要で数年もつのが特徴です。

この記事では、生花・造花・プリザーブドの違いプリザーブドフラワーが選ばれる理由扱うときの注意点といった点を、京都で天保元年(1830年)から仏具を扱ってきた専門店の視点で解説します。店頭で実際によくいただくご質問9問にもお答えしていますので、気になるところからお読みください。

あわせて読みたい:仏壇に造花はダメ?宗派の考え方と選んでよい場合の基準造花の仏花の選び方|安っぽく見せない5つの基準仏花を長持ちさせる方法|水替え・切り戻し・置き場所のコツ

プリザーブドフラワーの仏花

生花・造花・プリザーブドの違い

それぞれに向き不向きがあります。下の表で比べてみてください。

生花 プリザーブド 造花
素材 本物の花 本物の花を加工 布・樹脂など
もちの目安 数日〜2週間 1〜3年 数年
水替え 必要 不要 不要
風合い 自然 自然に近い 製品による
価格帯 安い やや高い 幅広い

プリザーブドフラワーが選ばれる理由

「生花の美しさ」と「手間のかからなさ」を両立できる点が最大の魅力です。

  • 水替えが不要で、旅行や帰省で留守にしても安心
  • 花粉が出ないため、アレルギーの心配がない
  • 香りがないので、お線香の香りを妨げない
  • 生花に近い質感で、造花のような人工感が出にくい

扱うときの注意点

長くきれいに保つために、次の点にご注意ください。

  1. 直射日光を避ける:色あせの原因になります。
  2. 高温多湿を避ける:花びらが傷むことがあります。
  3. 水をかけない:加工されているため、水やりは不要です。
  4. ほこりはやわらかい筆で払う:強くこすらないようにします。

ドライフラワーとの違い

ドライフラワーは仏花には向かないとされています。水分を抜いて乾燥させたものであり、「枯れた花」と受け取られることがあるためです。プリザーブドフラワーとは製法も見た目も異なります。

さらにくわしく

どうやって作られるのか

プリザーブドフラワーは、生花を特殊な液に浸して作られます。

  1. 生花を摘む:もっとも美しい状態の花を選びます。
  2. 脱水する:花の中の水分を専用の液で抜きます。
  3. 着色・保存処理:色素と保存液を吸わせ、しなやかさを保ったまま固定します。
  4. 乾燥・仕上げ:形を整えて完成します。

もとが本物の花なので、造花にはない自然な質感が残ります。これがプリザーブドフラワー最大の特徴です。

仏花に向く理由

仏花としてとくに評価されるのは、次の点です。

項目 プリザーブドの利点
手入れ 水替え不要。留守がちでも安心
見た目 生花に近く、人工的に見えにくい
香り 無香のため、お線香の香りを妨げない
花粉 出ないためアレルギーの心配がない
安全性 トゲや毒の心配がない

価格が高い理由

生花より価格が高いのは、手間のかかる加工工程があるためです。

ただし1〜3年もつことを考えると、年あたりの費用は生花より抑えられる場合があります。生花を週1回替えると年間4〜8万円かかるためです。→ 仏花の値段相場

長持ちさせる置き場所

置き場所で寿命が大きく変わります。

  • 向く場所:直射日光が当たらない、湿度の安定した室内
  • 避けたい場所:窓際、加湿器のそば、浴室に近い場所、エアコンの風が直接当たる場所

湿度が高いと花びらが柔らかくなり、乾燥しすぎると割れやすくなります。人が快適に過ごせる環境なら、おおむね問題ありません。

どんな方に向いているか

プリザーブドフラワーは、次のような方に選ばれています。

  • お勤めや育児で、毎日の水替えが難しい方
  • 出張や旅行で家を空けることが多い方
  • ご高齢で、花瓶の上げ下ろしが負担な方
  • 花粉症やアレルギーが心配な方
  • 生花の質感にこだわりたい方

「造花は人工的すぎる、でも生花は手間がかかる」という方に、ちょうど中間の選択肢となります。

購入時に確認したいこと

プリザーブドフラワーは加工品のため、品質に差があります。

  1. 色ムラがないか:着色が均一なものを選びます。
  2. 花びらが割れていないか:乾燥しすぎたものは割れやすくなります。
  3. 花器が付属するか:仏花としてそのまま飾れるか確認します。
  4. 保証や交換の有無:輸送中の破損に対応があるか。
仏花 BUCCCAシリーズ「楚々」
当店の仏花「楚々」(¥8,800)。水替えのいらない、花器つきの仏花です。

専門店からのひとこと

プリザーブドフラワーは、比較的新しいお供えの形です。そのため「仏花として本当によいのか」とご質問をいただくことがあります。

私たちの考えでは、もとが本物のお花である点で、造花よりも生花に近い性質を持つと言えます。ご自身が「これならきれいに供えられる」と感じられるのなら、それがふさわしい選択です。

なお、まれにドライフラワーと混同される方がいらっしゃいます。ドライは「枯れた花」とされ仏花には向きませんので、購入時にご確認ください。

よくある質問

プリザーブドフラワーとは何ですか?

生花から水分を抜き、特殊な液を吸わせて長期保存できるようにしたお花です。生花の風合いを残しながら、水替え不要で1〜3年ほどもちます。

プリザーブドフラワーは仏花に使えますか?

はい、使えます。水替えが不要で花粉も出ないため、お手入れの時間が取りにくい方やアレルギーが心配な方に選ばれています。

どのくらいもちますか?

飾る環境によりますが、1〜3年が目安です。直射日光と高温多湿を避けると長持ちします。

ドライフラワーを仏花にしてもよいですか?

ドライフラワーは「枯れた花」と受け取られることがあるため、仏花には向かないとされています。プリザーブドフラワーとは製法が異なります。

お手入れは必要ですか?

水やりは不要です。ほこりが気になる場合は、やわらかい筆でそっと払ってください。

プリザーブドフラワーはどう作られますか?

生花の水分を専用の液で抜き、色素と保存液を吸わせて固定します。もとが本物の花なので、造花にはない自然な質感が残ります。

プリザーブドフラワーが高いのはなぜですか?

手間のかかる加工工程があるためです。ただし1〜3年もつため、年あたりの費用は生花より抑えられる場合があります。

どこに置けば長持ちしますか?

直射日光が当たらず、湿度の安定した室内が向いています。窓際、加湿器のそば、エアコンの風が直接当たる場所は避けてください。

プリザーブドフラワーはどんな方に向いていますか?

毎日の水替えが難しい方、家を空けることが多い方、ご高齢の方、アレルギーが心配な方に選ばれています。造花より自然な質感を求める方にも向いています。

まとめ

プリザーブドフラワーとは、生花から水分を抜き、特殊な液を吸わせて長期保存できるようにしたお花です。生花の風合いを残しながら、水替え不要で数年もつのが特徴です。

この記事の要点をまとめます。

  • それぞれに向き不向きがあります。
  • 「生花の美しさ」と「手間のかからなさ」を両立できる点が最大の魅力です。
  • ドライフラワーは仏花には向かないとされています。
  • プリザーブドフラワーは、生花を特殊な液に浸して作られます。
  • 仏花としてとくに評価されるのは、次の点です。
  • 生花より価格が高いのは、手間のかかる加工工程があるためです。
  • 置き場所で寿命が大きく変わります。

仏花の作法は、地域やご家庭、宗派によって少しずつ異なります。この記事の内容と違っていても、ご家庭に伝わるやり方があれば、それがいちばん正しい形です。迷われたときは、菩提寺やご親族に一声かけてみてください。

なごみ工房では、京都・天保元年(1830年)創業の仏壇仏具専門店として、水替えのいらない造花・プリザーブドフラワーの仏花をご用意しています。品のある色合いとしつらえにこだわり、お仏壇に置くだけで整う花器セットです。お仏壇の大きさに合うサイズが見つからない、色合いを相談したいといった場合も、お気軽にお問い合わせください。→ 仏花(BUCCCA)の一覧を見る

仏花をお探しの方へ

水替えのいらない造花・プリザーブドフラワーの仏花をご用意しています。品のある色合いと花器のしつらえにこだわり、お仏壇に置くだけで整うセットです。

仏花(BUCCCA)を見る

京都・天保元年(1830年)創業の仏壇仏具専門店|全国配送・文字入れ対応|店舗責任者が選び方をご案内します

返回網誌
サンプルページ
プロフィール画像
監修者
仏事コーディネーター
川辺 一寛
京都生まれ、京都育ち、半世紀以上の歳月をこの地で過ごし、株式会社若林佛具製作所では四半世紀以上にわたって様々な業務に携わってきました。仏事コーディネーターおよび京仏マスターソムリエの資格を持っており、特に、寺院用の仏具を扱う寺院担当として、全国各地を回る貴重な経験を積んできました。そして今、『なごみ工房』の開設にあたり、これまでに学んだことを基に、様々な方々に対応し、新たな出会いを楽しみにしています。